データサイエンティストに転職して3ヶ月弱経過したので雑感を書いてみる
転職後約3ヶ月経っての雑感
1月31日に前職のSIerを退職して、コンサルティング会社のデータサイエンティストとして転職してから大体3ヶ月弱の月日が経過したので、その雑感を書こうと思います。
退職時の記事は以下にあります。
データサイエンティストの仕事について
下記でツイートしていますが、結論としてはあまり違和感なく仕事ができています。
SIerのSEからデータサイエンティストに転職して3週間が経ったけど、凄い勢いで色んなことを学んでいる。
— たー@in_the_rye (@in_the_rye) February 21, 2020
新しく知ることが多いけど、全く違和感がなくすんなり理解できるので、自分がこれまで学んできた事は無駄じゃなかったんだと思えて素直に嬉しい😆
前職でも特殊な業務ドメインでしたがデータの分析を行う機会は多かったのと、あとは博士課程でのデータ分析のバックグラウンドもかなり生きていると思っています。
データサイエンティストの仕事は一言で言えば「データから何らかのインサイトを導き出す」ことなので、今までやってきた仕事は特殊なドメイン知識を用いた解析ではあったものの本質的には変わらない仕事をやっていたのだと今は思えています。
SIerの経験も生きている
これも、下記でツイートしていますが、やはり何だかんだでSIerの経験は生きています。
SIerでのプロジェクトマネジメントの経験は守りの技術で、博士課程で培った発見的な思考は攻めの技術なんだと、改めて実感している。
— たー@in_the_rye (@in_the_rye) February 21, 2020
両方とも持っているという人は余り居なくて、結構価値を生み出す事に繋がっているのでは無いかと思えて、少しずつ自信に繋がって来ている。
データサイエンティストに転職してみて思うのは、分析スキルは大事だけど、要件定義能力がないとその分析スキルは結局評価されないということ。その意味でSIerの経験はなんだかんだで役に立つ。
— たー@in_the_rye (@in_the_rye) April 16, 2020
まあ、事業会社じゃないからってのも大きいのかもしれないけど。
SIerでのプロジェクトマネジメント経験
リスクをどのくらい積んで見積もりをするのか、そのリスクの管理をどうするのか、経営層やクライアントとそれについてどう交渉するのかなどの点含めて諸々やってきた経験は、そのままデータサイエンスプロジェクトや機械学習エンジニアリングのプロジェクトでも通用すると思いました。
もちろん、見積もり(工数、期間)はデータサイエンスプロジェクト等に特有のプロセスに対しての具体的な作業イメージがないと精度が上がらないので、その点での不確定要素はありますがシステムの納品に比べてプロジェクト期間が短く成果物が比較的軽い(報告書がメイン)、かつPoCなどのフェーズではアウトプットに調整の余地があるという点でむしろリスクコントロールがやり易いように感じています。
SIerでの要件定義経験
これも大きな点ですが、やっぱりデータサイエンスプロジェクトや機械学習エンジニアリングのプロジェクトでも結局は”なんの課題を解決したいのか”と”そのためにどういうソリューションを選ぶのか”という点が大きな点で、SIerでやってきた要件定義の経験がそのまま生きてきます。
どれだけ多くの分析手法や機械学習モデルの構築手法等に長けていても、結局何を解決したいのかのところを詰め切れないと良い手法を選択することはできず、そのための課題分析の能力はデータサイエンティストでも強く必要とされるのだと思いました。
全部うまくいっていて、困ったことはないのか?
これまで、すべての経験が生きていてまるで困ったことがないようなことばかり書いていますが、当然足りない部分もあり色々キャッチアップしないとならない部分も感じています。
基本的な分析手法の知識がすっぽり抜けていることがある
おそらく”データサイエンティスト”の職業にある人は99%が知っているような基本的な知識がたまにすっぽり抜けていたりすることがあって、ジュニアなデータエンジニアとかに「えっ知らないんですか?」的な目で見られてたまに恥ずかしい思いをしたりします。
例を上げると大変恥ずかしいのですが、今まで回帰分析の「決定係数」をちゃんと知りませんでした。。。
ただ、もちろん用語に馴染みがなかっただけで、その定義の数式を見れば何を示しているのかはすぐに理解できたので単純に言葉を知らなかっただけになります。(が、それにしてもかなり恥ずかしいくらいの基本です。。。)
言い訳
一応、言い訳を言うと、今まで取り扱ってきたデータは大体何らかの定式化されたモデルに従うことが前提になっているようなデータで(例えば物理現象であれば大抵何らかの微分方程式で記述できるなど)そもそも、前提となる定式化が存在しないデータに対しての分析というのをやったことがなかったので、回帰分析での決定係数を指標として用いて評価をするということもなく知らなかった、ということになります。
でもキャッチアップはすぐできる
上記のように、基本的な知識は抜け落ちている場合がありますが逆に無駄に詳しく理論を知っていたりする分野もあるので、その辺の知識をベースにすると基本的なことはその知識との類似性とかから結構すぐにキャッチアップできるので、その意味でも今までやってきたことは無駄じゃなかったんだと感じています。
まとめ
総じて、現在の所、直接的な仕事の実感としてはうまく行っているという感触を得ているので、このまま順調に仕事を続けていければなと思っています。
あとは昨今のCOVID-19による影響で、世界経済が停滞してデータサイエンスや機械学習プロジェクトなどへの投資も直近ではシュリンクしてしまっているのは事実なので、そのあたりも含めて何とかうまくビジネスを回しつつこの居場所を確保し続けられればなと思っています。